29年度 第4回 研究例会

共催: 科学研究費補助金・基盤研究B

「日本語の漢字力評価の方法に関する研究」(研究代表者:加納千恵子)

 

 今年度第4回目の研究例会のテーマは、「漢字学習」でした。来日後の日本語予備教育コースで初めて漢字を学んだお二人をゲストに迎え、それぞれの母語が異なる多言語クラスでの日本語学習を振り返っていただき、漢字を媒介とした気づきについて語っていただきました。

 

日 時:2018年3月17日(土) 13:30 ~ 16:00 (14:50-15:00 休憩)

場 所:エルアージュ(L-AGE)小石川 2F 集会室

      文京区小石川1-17-1 クイーンズ伊勢丹上

 

司会進行:小林基起(当会世話人)

 

表 題:漢字学習へのアプローチと評価の観点〜非漢字圏の日本語学習者・使用者の立場から〜

発表者:ハフィーズ ウル レーマン(鹿児島大学助教)

    フランシス イヴァン カンボス チンチア(元鹿児島大学非常勤講師)

 

発表要旨: 

日本語学習者の漢字力を評価する、といったとき、どのような観点から評価しているでしょうか。読み書きできる漢字の数、ある文脈の中で適切な意味の漢字語が選べる力、場面やジャンルに応じて漢字語を適切な形で使える力、既習の漢字知識から未習の漢字語の読みや意味を推測する力…初級から中級・上級へというステップアップをはかる上では、いずれも日本語力の一部として重要な力でしょう。しかし、一人一人の学習者の漢字への向き合い方はさまざまです。特に非漢字圏の日本語学習者にとって、母語とはまったく異なる文字体系、とくに漢字を学ぶということはどのようなことなのでしょうか。自分自身の母語や文化背景の中で漢字をどのように受け入れ、漢字を学ぶことによってどのような発見につながることがあるのでしょうか。今回は、来日後の日本語予備教育コースで初めて漢字を学んだお二人のゲストに、それぞれの母語が異なる多言語クラスでの日本語学習を振り返っていただき、漢字を媒介とした気づきについて語っていただきます。

 

内 容:

1 本テーマ趣旨説明(谷部弘子)

2 多言語クラスの学習者間のインタラクションから何が生まれるか(小林基起)

3 非漢字圏・非アルファベット圏の学習者・使用者の立場から(1)

ハフィーズ ウル レーマン(鹿児島大学助教)

[パキスタン・ウルドゥー語・理工系]

4 非漢字圏の学習者・使用者の立場から(2)

フランシス イヴァン カンボス チンチア(元鹿児島大学非常勤講師)

[コロンビア・スペイン語・医学系]

5 ディスカッション

 

参加費:300円

費用は資料代・会場代として使用させていただきました。

 

お申し込みは▼こちらのフォームからお願いいたします。

https://goo.gl/0GHea6

 

ご来場できない方は、ライブ中継をこちら↓でご覧ください。

オンラインで質問もできます。

 

【ライブ配信ページ】

https://youtu.be/2ZRUiWuRTKo

 

29年度 第3回 研究例会

 

 今年度3回目の研究例会は、前回予定通り行うことができなかったアフリカの日本語教育を中心に行いました。

 

 アフリカ諸国における日本語教育についても、当然のことですが、それぞれの国に大きく異なる固有の条件、背景等があって、一概に論ずることは困難です。

 今回もまた、発表会と学習会を通して、地理的・文化的に日本から遠い地域における日本語教育の意味、現実、問題、課題などについて理解を含める機会となったのではないでしょうか。

 オンラインでの参加も含めて、関連する国々で日本語教育に携わった方々はじめ、広く海外の日本語教育に関心のある多くの方々の参加していただくことができました。

 

日時: 2017年 12月16日(土) 13:30~16:00 (14:50-15:00 休憩) 

場所: エルアージュ(L-AGE)小石川 2F 集会室 

    文京区小石川1-17-1 クイーンズ伊勢丹上 

 

 司会進行: 荒川友幸(当会世話人)

 

 Ⅰ 発表会(発表+質疑応答)

表  題: タンザニア、セネガル、スーダンにおける日本語教育(仮題)

発表者: 内山 聖未さん(元JICA青年海外協力隊員)

 

発表要旨: 

 今回は、アフリカ3カ国において日本語教育に関わった経験をもとに、外国語学習の意義などについて問い直したいと思います。国内初の日本語クラスを国立大学の選択科目として立ち上げたタンザニア、私立大学の選択科目の日本語クラスに携わったセネガル、国立大学の公開講座として日本語クラスを立ち上げたスーダン(正確には、筆者が赴任した2012年の20年前に数か月開講された経緯あり)を取り上げ、現地における日本語学習の多様な姿を、「学習者の日本語力」ではなく「その学習者自身」に焦点を当てて紹介しながら、日本語学習・日本語教育の持つ遠心的な力の可能性について考えます。

 また、私はこれまで主に開発援助の現場における日本語教育に携わってきたことで、触媒としての援助、人間の安全保障などの観点から、「開発援助としての日本語教育」が担う役割の重要性にも注目しています。エンパワメントや自己実現につながる言語学習の意義のようなものを現場で強く意識させられてきたからです。研究会当日、様々なご経験をお持ちのみなさまと意見交換ができると嬉しいです。  

 

  

Ⅱ 学習会(基調報告+ディスカッション)

表   題: アフリカ諸国における日本語教育の現状と課題

基調報告: 内山 聖未さん(元JICA青年海外協力隊員)

 

 アフリカ諸国における日本語教育に詳しいという日本語教育関係者は非常に少ないのではないでしょうか。この学習会では、そのアフリカの日本語教育について理解を深めるための意見交換を行います。

まず、意見交換の前提として、私たちが、アフリカにおける日本語教育についての現状や課題を少しでも多く共有することができたらと考え、Ⅰの発表者内山聖未さんに、話題提供的な基調報告をしていただくことにしました。その際、内山さんには、ケニアで行われた東アフリカの広域の会議の模様をケニア日本語教師会がまとめた『東アフリカ日本語教育Ⅰ』の基礎資料として、関係

各国の日本語教育について紹介していただきます。

その後、参加者の中に、他の国での日本語教育に関わった経験のある方々があったら、その事情を紹介していただいたりし、全体の意見交換会に移る予定です。

多くの皆さんの積極的なご参加を期待します。

 

 

 参加費:300円

費用は資料代・会場代として使用させていただきます。

29年度 第2回 研究例会

 

 今年度第2回の9月の研究例会は、アフリカ大陸で日本語教育に携わった青年海外協力隊経験者による任国の学習者に着目した発表でした。

 

モロッコにおける日本語教育

 ご存知のとおり、外務省などの地域区分でモロッコは中東に位置づけられますが、さまざまな面でそれぞれの国に大きく異なる固有の条件、背景等があり、一概に論ずることは困難です。今回もまた、地理的・文化的に日本から遠い地域における日本語教育の意味、現実、問題、課題などについて理解を含めることができるでしょう。

 オンラインでの参加も含めて、それぞれの国の日本語教育に携わった日本語教育関係者の方々、広く海外の日本語教育に関心のある方々の参加を歓迎します。

 

開催概要  

 

 Ⅰ 発表  小林裕美さん

 

 日時: 2017年 9月16日(土) 13:30~16:00 (14:50-15:00 休憩) 

場所: エルアージュ(L-AGE)小石川 2F 集会室 

   文京区小石川1-17-1 クイーンズ伊勢丹上 

司会進行:佐久間勝彦  当会世話人  

 

Ⅰ 発表会 (発表+質疑応答)

表題:モロッコの日本語教育‐「学習者コミュニティ」に注目して

発表者:小林裕美さん(元JICA青年海外協力隊員、元JICAシニア海外ボランティ

ア)

発表要旨: 

私が日本語教育の実践に携わったモロッコは、日本から地理的にも文化的にも遠く、日本語学習が実益に結びつきにくい、いわゆる日本語教育の“辺境”地域であり、学習者は趣味で日本語を学ぶ者ばかりという地でした。高等教育機関の公開講座で日本語を教えながら、「何を日本語教育の目的としたらいいのか」を考えていた私に一つの可能性を示してくれたのが、日本語学習者が形成した「学習者コミュニティ」です。学習者自身がコミュニティで日本語文化と日本語学習を楽しみながら外部に発信するための活動を始めました。彼らは活動を通して組織運営について学び、絆を深めつつ日本語学習者というアイデンティティを深め、結果的に日本語学習意欲も高まって教室が活性化しました。この体験から私は、「学習者コミュニティ」が、地理的・文化的に日本から遠い地域における日本語教育の在り方や姿勢の一つになりうるのではと考えはじめました。

今回は、モロッコでの実践を紹介しつつ「学習者コミュニティ」に着目し、“辺境”の地で

日本語教師は何を教育の目的として活動していけばよいかを考えたいと思います。

 

 

参加費:300円

費用は資料代・会場代として使用いたしました。 

29年度 第1回 研究例会

 

今回は、広域ネットワーク構築に携わった経験のあるJICAボランティアと国際交流基金専門家、それぞれの視点から取り組んだ事例をお話いただきました。また、当日は会場と中米各国(コスタリカ、ニカラグア、エルサルバドル)を中継で繋ぎ、現地からの生のコメントも交えながら広域ネットワーク構築の意義や課題について多角的に考えることを試みました。

 

■開催概要

 

Ⅰ 発表  大嶺恵美さん、玉村香奈さん他

Ⅱ 発表  蟻末淳さん

 

日時: 2017年 6月17日(土) 13:30~16:00 (14:50-15:00 休憩)

場所: エルアージュ(L-AGE)小石川 2F 集会室

     文京区小石川1-17-1 クイーンズ伊勢丹上

 

司会進行: 黒田直美 当会世話人

 

 

Ⅰ 発表会 (発表+質疑応答)

表題  :中米・カリブ日本語教育ネットワーク構築と持続の試み

発表者:

(1)大嶺恵美さん(元JICA青年海外協力隊員、元国際交流基金専門家)

(2)玉村香奈さん(元JICA青年海外協力隊員)

(3)オンライン参加のコメンテーター(同ネットワークセミナー開催実行委員経験者)

コスタリカ   篠原麗奈さん、オスカル・グラナドスさん

ニカラグア   ベヒシュタイン玲子さん、ランドル・メザさん

エルサルバドル アントニア・リバスさん

 

発表要旨

とくに地理的・文化的に日本から遠い海外の地で日本人が日本語教育に携わるとき、さまざまな背景や理由から、その地域や国を超えて、より広いネットワークを追求し、構想することがある。発表者(1)は、JICA青年海外協力隊の隊員としてコスタリカで活動中、数人の隊員とともに「中米・カリブ日本語教育セミナー」を計画し、2009年、近隣5ヶ国から日本語教育関係者を招いた広域セミナーを開催した。参加国は、コスタリカ、ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラ、ニカラグア、ドミニカ共和国の6ヶ国であったが、その後同セミナーは毎年開催を重ねるごとに参加国も増加している。2015年と2016年はコスタリカで第7回・第8回セミナーが行われ、発表者(2)は第7回セミナーの開催・運営において中心的な役割を果たした。今夏には、第9回セミナーがニカラグアで開催される予定である。

発表者(1)は、中米・カリブ地域におけるネットワーク構築の背景、ねらい、方針、ならびにネットワーク発足当時の日本語教育セミナー実施の様子などについて、発表者(2)は、中米・カリブ日本語教育セミナーの変遷、ネットワーク持続の問題や今後の課題などについて、青年海外協力隊員として携わった視点からの総括的な発表をおこなう。さらに、中米各国の同セミナー開催経験者と会場をオンラインで繋ぎ、現地からの意見やコメントも交えながら多方向的なディスカッションを目指す。発表後は、同セミナーや、他の国・地域で広域セミナー等の開催に関った方はもちろん、参加者の皆さんとの意見交換も行いたいと考えている。

 

Ⅱ 発表会 (発表+質疑応答)

表題  :「広域ネットワークの構築の意義と課題 — 東アフリカ及び中米カリブを例に —」

発表者:蟻末淳さん 現国際交流基金専門家(メキシコ)、元国際交流基金専門家(ケニア)

 

発表要旨

「広域ネットワークの構築の意義と課題 — 東アフリカ及び中米カリブを例に —」

 本発表では、発表者の東アフリカ及び中米カリブ地域を中心とした経験から、国を越えた広域ネットワークの構築の意義とその課題について発表する。

 発表者は一カ月前まで、メキシコ日本文化センター所属の日本語教育アドバイザーとして、メキシコ及び中米カリブ地域では教師研修やネットワーク構築支援を中心に活動してきた。

現在、国際交流基金の日本語専門家においては、必ずしも日本語の授業を持たず、主にセミナーなどの教師研修や個別のアドバイザー事業、ネットワーク構築などの業務を請け負う形が主流になってきている。

 メキシコ赴任前はケニアのケニヤッタ大学に専門家として派遣されており、その際には大学派遣のため基本的な業務は授業の運営とコースデザインの整備等であった。その傍ら、在外公館の協力もあり、当時ミッションにはなかった近隣諸国の調査出張などを行い、東アフリカ初の国を越えたシンポジウムである日本語教育会議(ケニア日本語教育会議・東アフリカ日本語教育会議)を実現した。

 その後、メキシコにおいては、ネットワークの立ち上げこそなかったものの、同地のネットワークの中心である中米カリブ日本語教育セミナーへの3度に渡る参加の他、中米カリブ地域の日本語教育実施国10か国に出張し、現地日本語教育事情の調査、セミナー、ネットワーク構築の支援をしてきた。

 そして、メキシコでの任期中には、メキシコ日本語教育シンポジウムを開かれたシンポジウムにするための支援や、米国との連携によるメキシコ初の日本文化に関するクイズ大会Japan Bowl en Mèxicoの立ち上げなど、国際的なイベントの実施に関わってきた。グローバル化した社会の中で、このようなイベントも一国、一地域に限定することなく、積極的な広報活動などによる周囲への波及効果を常に考える必要がある。

 本発表ではこれまでの中米カリブ、南米地域及びアフリカでの経験から、ネットワーク構築の意義と課題、日本語教育を巡る環境、ステークホルダーとその役割、関わり方などを、できるだけ具体的に話していきたい。

 

 参加費:300円

費用は資料代・会場代として使用いたしました。 

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